
方丈前庭
興臨院(こうりんいん)は、大徳寺塔頭(たっちゅう)の一つで、大徳寺の勅使門前を過ぎた三門の西方に位置し、大徳寺山内では古いとされる立派な表門を構えてたっています。
龍源院を本院とする南派に属しています。
能登畠山家の創設
室町時代前期、能登国(のとのくに。石川県北部(能登半島)。)は、足利一門にして足利義満(あしかがよしみつ)の信頼の厚かった畠山基国(はたけやまもとくに)が守護となるに及んで畠山家の分国となります。
基国の没後畠山家本家の家督を継いでいたのは次男の満慶(みつのり)でした。基国の嫡男満家(みついえ)は、当時将軍の座をひきながらも絶大なる力を保持していた義満に疎まれてはその逆鱗(げきりん)に触れ、蟄居(ちっきょ)していました。
義満が没すると、満家は赦免されます。そして満慶は家督を兄の満家に返しました。当時にあってはこのような行いは珍しかったためか、「天下の美挙」と称えられました。これを受けて兄の満家は、感謝の意から分国のうち能登一国を満慶に与えます。こうして応永(おうえい)15年(1408)に満慶を初代とする能登畠山家が創設されたのでした。
畠山義総
室町幕府の権力は完全に失墜して室町時代も末期へと入り、ほぼ恒常的に相互間の戦闘が繰り返されるようになった戦国時代へと移っていた永正(えいしょう)12年(1515)、畠山義総(よしふさ)が家督を継いで能登畠山家の第7代当主となります。
興臨院が創建されたのは大永(たいえい)年間(1521〜28)と見られていて、義総は大徳寺86世の小渓紹怤(しょうけいじょうふ)を開山に迎えます。
以来興臨院は能登畠山家菩提寺となります。
戦国武将として義総は積極的な国作りに力を注ぎます。
居城を七尾城山(ななおじょうやま)の麓から、七尾湾が一望できる標高300メートルほどの山上に移して堅固な七尾城を築きます。今日では五大山城(やまじろ)の一つとして知られる名城で、後に上杉謙信(うえすぎけんしん)の猛攻を1年以上耐え抜いたことでも知られ、天下屈指の堅城として讃えられました。
一方、 義総は古典、和歌、漢詩文などを愛好した優れた文化人でもあったといいます。この事もあって、戦国の世にあって戦乱を逃れて下向してきた公家や連歌師などの文化人を積極的に保護したといいます。その結果、義房は能登畠山文化の最盛期を築くこととなります。また、商人や手工業者も手厚く保護したといいます。
こうしたことから七尾城下町は、小京都とまで呼ばれるほどに発展したといいます。
義総の時代は、能登畠山家の全盛期を迎えることとなったのでした。
しかし義総が世を去ると能登畠山家では重臣たちの主導権争いが始まります。その結果として能登畠山家は急速に衰退していくこととなったのでした。
上杉謙信の侵攻を受けるようになるのはそのような中でのことでした。
謙信は上洛するにあたり、軍勢を越後国から京へ進める際、兵站(へいたん)線を確保する上で非常に重要と判断したのが能登国の平定でした。特に重視したのが能登国の拠点・七尾城を抑えることでした。
先述の通り堅固に造られた七尾城は謙信の猛攻に堪えますが、天正(てんしょう)5年(1577)、ついに謙信の力の前に落城し、能登畠山家は滅亡してしまうこととなります。
能登畠山家が没落した後の天正14年(1586)、興臨院は、加賀百万石の基礎を築いた戦国大名・前田利家(まえだとしいえ)により改修が行われることとなりました。こうして興臨院は前田家の菩提寺ともなって庇護されることとなったのでした。
写真集(15枚の写真が表示されます。)
大徳寺の総門をくぐり、石畳の参道に沿って真っすぐ西へ向かうと勅使門を過ぎたあたりで見えてくるのがこの表門です。
大徳寺山内でも有数の古い門とされています。
重要文化財。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 京都市北区紫野大徳寺町80 |
| 宗派 | 臨済宗大徳寺派南派 |
| 寺格 | 大徳寺塔頭 |
| 創建年 | 大永年間(1521〜28) |
| 開基 | 畠山義総 |
| 開山 | 小溪紹怤 |
| 文化財 |
|
【境内概観図】※図の操作については下記をご参照ください。
【マップ掲載番号の説明】
- ※
- 図中の右上に表示されている「地図」をクリックして、その下に表示される「航空写真」をクリックし、図を拡大表示する(下記「マップの操作について」参照)とよりはっきりと見ることができます。
- 大徳寺総門(※1)
- 大徳寺勅使門
- 表門
- 庫裡
- 方丈
- 唐門
- 方丈前庭
- 貝多羅樹
- 涵虚亭
- 龍源院
- 大徳寺三門
- 大徳寺仏殿
- 大徳寺法堂
- 大徳寺庫裡(※1)
- 大徳寺本坊(※1)
- 大徳寺唐門(※1)
- 大徳寺方丈(※1)
- 大徳寺南門(※1)
- 大徳寺通(※1)
- 北大路通(※2)
図の操作について
- 図の上でマウスを任意の方向に動かす(ドラッグする)と表示範囲が変わります。
- 図の左にある+(プラス)ボタンをクリックする毎に図が拡大され、−(マイナス)ボタンをクリックする毎に図が縮小されます。
- 図の右上にある[地図]のボタンをクリックすると地図タイプを切り替えることができます。
- 非表示にした吹き出しを再度表示するには、赤いアイコンをクリックして下さい。
- 最初の状態に戻すには、キーボードのF5キーを押下してください。
近隣の観光スポット情報
上記の【境内概観図】をご参照ください。


