
小有洞
門をくぐるとそこには両側を竹林に覆われた参道が奥へと延びています。
武士を棄て文人となり、江戸時代初期における漢詩の代表的人物として知られる石川丈山(いしかわじょうざん)によって建てられた詩仙堂(しせんどう)。
丈山当時の建築である嘯月楼(しょうげつろう)と詩仙(しせん)の間(詩仙堂)、そして桂離宮、東本願寺の飛地境内地、渉成園(しょうせいえん)(枳穀邸(きこくてい))の補修にもかかわるなど庭園設計にも精通していたというその技能を生かした庭園を目にすることができます。
徳川家康に仕えるも・・・
代々徳川家(松平(まつだいら)家)に仕える譜代武士の家に生まれた丈山は、徳川家康(いえやす)の近侍(きんじ)となり、その忠勤ぶりに信頼を寄せられます。
慶長(けいちょう)20年(1615)、大坂夏の陣に参戦しますが、早く功を挙げたいとの一心から軍令に背き抜け駆けをして攻め入ったことから徳川家康の褒(ほ)め称(たた)えるところとならず、逆に丈山が寵臣(ちょうしん)であったが故に徳川家康は厳しく咎(とが)めたといいます。このことを重く受け止めた丈山は禄(ろく)を辞して徳川家康の許(もと)を去って浪人となり、京都の妙心寺(みょうしんじ)に隠棲します。
元和(げんな)3年(1617)頃、丈山は、朱子学派の儒学者として知られる知人・林羅山(はやしらざん)の勧めによって林羅山の師でもある藤原惺窩(ふじわらせいか)に師事し、儒学を学びます。
丈山は文武にすぐれるとの評判がたち各所から仕官の誘いを受けますが、丈山には仕官するつもりはなかったようです。しかし病に臥せりがちな母を養うために紀州(和歌山県)の浅野家に仕官します。その後浅野家の転封(てんぽう)に従って安芸(広島県)広島に赴き、そこで13年ほど過ごすことになります。
母が亡くなると引退を願い出ますが受け入れられなかったため、丈山は強引に浅野家を出て京都に戻ってきます。そして寛永(かんえい)13年(1636)に相国寺(しょうこくじ)の近くに睡竹堂(すいちくどう)をつくり隠棲し始めたのでした。

残月軒のかたわらの池
終の棲家
それから5年が経った寛永18年(1641)、丈山59歳の時、洛北の一乗寺村(比叡山西麓)に凹凸窠(おうとつか)を建てて終(つい)の棲家(すみか)と定めます。凹凸窠とは、でこぼこした土地に建てた住居という意味です。
この時、洛東の高台寺(こうだいじ)の南隣りに挙白堂(きょはくどう)を営み隠棲していた木下長嘯子(きのしたちょうしょうし。木下勝俊(かつとし)。)が長嘯子と号したその隠棲地に、三十六歌仙の肖像を掲げた「歌仙堂」と称する小閣があったことに倣い、丈山は林羅山の意見も聞いて中国歴代の詩人を36人選んで三十六詩仙とし、江戸幕府の御用絵師として江戸城、二条城、名古屋城などの公儀の絵画制作に携わり、一方、大徳寺(だいとくじ)、妙心寺などの有力寺院の障壁画も制作した狩野探幽(かのうたんゆう)に肖像を描かせて堂内2階の四方の小さな壁に9面(人)ずつ掲げました。このことから凹凸窠は詩仙堂(詩仙の間)の名で知られるようになります。
この詩仙堂で、丈山は清貧を旨として学問に没頭します。丈山は隷書、漢詩の大家としても知られ、また、わが国における煎茶(文人茶)の開祖とも言われるようになります。
丈山は詩仙堂で30年あまりを過ごした90歳の時にその生涯を静かに閉じています。
写真集(21枚の写真が表示されます。)
詩仙堂入口の門に掲げられた「小有洞」の扁額。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名 | 六六山詩仙堂丈山寺凹凸窠 |
| 所在地 | 京都市左京区一乗寺門口町(もんぐちちょう)27 |
| 山号 | 六六山 |
| 宗派 | 曹洞宗 |
| 本尊 | 馬郎婦観音(めろうふかんのん) |
| 創建年 | 寛永18年(1641) |
| 開基 | 石川丈山 |
| 文化財 |
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【境内概観図】※図の操作については下記をご参照ください。
【マップ掲載番号の説明】
- ※
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- 小有洞
- 老梅関
- 凹凸窠門
- 躍淵軒(やくえんけん)
- 嘯月楼
- 詩仙の間
- 至楽巣
- 膏肓泉
- 洗蒙瀑
- 流葉シ陌
- 僧都(添水)
- 百花塢(ひゃっかのう)
- 残月軒
- 十方明峰閣(坐禅堂)
- 八大神社
- 金福寺(※1)
- 一乗寺道(※1)
- 一乗寺下り松(※1)
- 曼珠院道(※1)
- 圓光寺(※1)
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近隣の観光スポット情報
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