
寂光院前にて
5月、新緑に包まれた洛北の山里、大原の寂光院(じゃっこういん)から三千院(さんぜんいん)を経て勝林院(しょうりんいん)までの約2キロメートルの山に抱かれた豊かな自然の中の道のりを、2時間程かけて大原女(おはらめ)の一行が練り歩きます。「大原女時代行列」です。
行列では、地元の小中学生や公募の女性たちが、室町、江戸、明治・大正の時代ごとの大原女の装束を披露します。まさに山里に美しく映える大原女姿には思わず見とれてしまいます。
行列は、寂光院の東に隣接する高倉(たかくら)天皇皇后徳子(とくこ)(建礼門院(けんれいもんいん))の大原西陵と寂光院に参拝した後、13時に寂光院を出発します。途中では休息を取った後に三千院にも参拝し、15時に最終地である勝林院に到着します。
2014年は5月10日(土)に開催されました。
建礼門院、寂光院へ
平清盛(たいらのきよもり)の次女で、高倉(たかくら)天皇の皇后であり、安徳(あんとく)天皇が生まれると天子の国母となった建礼門院。
その後、平安時代末の治承(じしょう)5年(1181)閏2月4日、平清盛が世を去るとそれまで栄耀栄華を極めた平家の勢力に陰りが見え始め、代わって源氏が勢力を盛り返します。木曽義仲(きそよしなか。源義仲。)の攻撃により建礼門院をはじめとする平家の者は京の都を追われます。
元暦(げんりゃく)2年(1185)3月、壇ノ浦(山口県下関市)の戦いでついに平家は滅亡しますが、その最中、建礼門院の母・時子が10歳にも満たない建礼門院の子・安徳天皇を抱いて入水します。続いて建礼門院自らも海にその身を投じました。しかし幸運と言うべきか、皮肉と言うべか、偶然にも建礼門院は源氏方に助けられたのでした。
その後、建礼門院は京に送還され、ひどくみすぼらしい朽ちた僧房で日々を送ることとなります。
元暦2年(1185)5月、建礼門院は剃髪して入寺し、それからというもの安徳天皇と平家一門の菩提を弔う日々を送っていました。
建礼門院はそうした日々を送る中、いつしか、いやな事を耳にしてつらい思いをしながらの今の都の近くでの暮らしよりは、何かと寂しいながらもそういったことの耳に入らない深い山の奥へでも行き、静かに暮らしたいと思うようになります。
建礼門院は大原山の奥に寂光院という所があることを聞き、文治(ぶんじ)元年(1185)9月末、寂光院に移ったのでした。今から800年以上も昔のこと。当時はさぞや草木生い茂る山里であったことであろうと思われます。
写真集1≪大原女時代行列行進前≫(28枚の写真が表示されます。)
大原女時代行列がスタートする寂光院へ向かうために、国道367号(写真右奥へと延びる道)沿いの江文神社御旅所(えぶみじんじゃおたびしょ)前から脇にそれる道(写真左側へと延びる道)へと入ります。
国道367号沿いに立つ石標には「寂光院左へ十八丁」とあります。ここからおよそ2キロメートル弱といったところでしょうか。
阿波内侍
建礼門院は寂光院の一画に庵室をむすんで、1間(ま)を寝所にし、また別の1間を仏像安置の場所にして、わびしいながらも静かな日々を過ごします。悲運の建礼門院を大原の里人たちは手厚くもてなしたのではないでしょうか。
そして、その建礼門院に尼となって仕えたのが侍女の阿波内侍(あわのないし)です。
やがて建礼門院は病にかかり、建久(けんきゅう)2年(1191)2月中旬、その生涯を寂光院で閉じました。阿波内侍が建礼門院の最後を看取ったといいます。
阿波内侍は、手拭(てぬぐ)いを頭にかぶり、手に白の甲掛(こうがけ)、足に白足袋(たび)をして炭や薪、柴を頭の上に載せて京の都で売り歩いたという「大原女」のモデルとされている人でもあります。
寂光院の前の道を奥へとほんのしばらく行くとそこはもう山奥といった光景が広がっていますが、「大原女」の服装は、阿波内侍が建礼門院に仕えている際、山に柴などを刈りにいっていた時の姿が原型となっているといわれています。
写真集2≪大原女時代行列≫(38枚の写真が表示されます。)
行列出発の前の和やかな雰囲気。子供たちの笑顔に場の雰囲気がいっそう盛り上がります。
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【図中番号の説明】
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- 寂光院
- 落合の滝
- 京都バスのりば
- 呂川
- 魚山橋
- 三千院
- 来迎院(※1)
- 音無の滝(※1)
- 熊谷直実鉈捨藪跡
- 未明橋
- 律川
- 後鳥羽・順徳天皇大原陵
- 法華堂
- 実光院
- 法然上人腰掛石
- 勝林院
- 宝泉院
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